ボロンdeガード工法

「何を使うか」だけでなく、
「どう施工するか」が、効果を左右します。

ボロンdeガード工法は、ホウ酸を使った木造住宅の防蟻防腐処理工法です。 ホウ酸は揮発性の薬剤とは異なる性質を持ちますが、 その性能を引き出すためには施工品質の管理が不可欠です。 本ページでは工法の材料特性・処理対象部位・施工プロセス・ 安全性・一般的な防蟻処理との違い・認定施工の仕組みを詳しく説明します。

このページの要点

  • ボロンdeガード工法は、ホウ酸(鉱物由来の無機ミネラル)を使った木造建築の防蟻防腐処理工法です。
  • ホウ酸は揮発・分解しないため効果が長期間持続し、施工後の室内空気を汚しません。水溶性のため、雨による溶脱を防ぐ雨対策が前提です。
  • 効果は処理部位・施工濃度・施工記録で決まるため、協会の施工マニュアルに準拠した施工会員(ホウ酸施工士)が責任施工します。
  • 施工後は5年ごとの定期検査で木材の状態を確認し、再施工に依存しない維持管理を行います。
工法管理の必要性

なぜ「工法」として管理するのか

材料の性能を実際の効果として引き出すためには、 施工品質の管理が不可欠です。 ホウ酸は性質上、適切な条件で施工されて初めて 期待する効果が得られます。

施工会員のスタッフがホウ酸処理を施工している現場の様子

ボロンdeガード工法は、処理に必要な条件を体系化し、 協会が定める施工マニュアル(施工要領書)に準拠した 「施工会員」のみが実施できる仕組みです。 これは「どのホウ酸を使うか」ではなく、 「どう施工するか」が長期的な効果を左右するという 考え方に基づいています。

① 処理部位の確保

土台・柱・梁・筋交い・根太など、 構造材の全面に処理が行われているかは 施工者の技術と施工マニュアルへの準拠に依存します。 処理が及ばない部位があると、そこが弱点となります。

② 施工濃度・施工量の管理

規定された濃度・量で処理することが 効果の持続性に直結します。 ボロンdeガード工法では、 施工マニュアル(施工要領書)に基づいて管理します。

③ 木材状態の確認と記録

木材の含水率が高い状態での施工は 浸透のしやすさに影響します。 施工前の状態確認と、処理部位・使用量・ 施工日の記録が保証の根拠となります。

協会の役割

日本ホウ酸処理協会は、施工マニュアル(施工要領書)の策定・ 施工会員の育成・5年ごとの定期検査の仕組みを通じて、 この施工品質を担保しています。 協会の存在意義は、材料の性能を実際の効果として 引き出すための品質管理の仕組みにあります。


材料の特性

ホウ酸という材料の特性

ホウ酸は鉱物由来の無機化合物です。 揮発性の薬剤とは根本的に異なる性質を持ち、 その特性がボロンdeガード工法の設計根拠になっています。

鉱物由来の「ホウ酸」を水に溶かし、木材そのものにしみ込ませます。

揮発・分解しないため木材中に残り続け、室内の空気を汚しません。

  1. 元素記号 B(ホウ素) 01 ホウ素(B) 原子番号5。地球上に広く存在する元素
  2. ホウ酸塩の鉱物 02 ホウ酸塩(鉱物) 天然の鉱物資源から精製される無機ミネラル
  3. ホウ酸水溶液の入ったフラスコ 03 ホウ酸水溶液 規定の濃度に調製して施工に使用
  4. ホウ酸がしみ込んだ木材の断面 04 木材にしみ込む 乾燥後も木材の中に残り、腐朽菌・シロアリから守る

鉱物由来の無機化合物

ホウ酸は、天然の鉱物資源から得られるホウ素をもとにした無機成分です。一般的な防蟻処理で用いられる揮発性の薬剤のように、虫をすばやく殺すことを目的とした成分ではありません。 ボロンdeガード工法では、このホウ酸を木材にしみ込ませることで、シロアリや腐朽菌が木材を劣化させにくい状態をつくります。石油系原料に依存しない防腐防蟻処理であり、木材の中にとどまって長期的に建物を守ることが大きな特長です。

揮発せず、自然に消えにくい

揮発性の薬剤が時間とともに揮発したり 自然に分解されて効果が薄れていくのに対し、 ホウ酸はそのような性質を持ちません。 屋内の構造材(土台・柱・梁など)に施工された場合、 雨水や結露にさらされにくい環境では 木材の外へ出ていきにくい性質があります。 この特性から、揮発性の薬剤のような 定期的な再処理が原則として不要です。 ただし、効果の持続性は施工条件・樹種・環境によって異なります。

木材表層へしみ込ませる施工

ホウ酸処理溶液は木材の施工面(塗布面)から しみ込ませて施工します。 施工直後は木材の表面から数mm程度の浸透であり、 木材の中心部まで完全に浸透するものではありません。 「木材内部まで浸透する」という説明を見かけることがありますが、 実際の浸透の深さは樹種・含水率・施工方法によって異なります。 過大な期待を持つことなく、施工マニュアルに基づいた 適切な施工が重要です。

ホウ酸処理を施した木材の様子
木材表層への浸透のイメージ
木材表層へのホウ酸浸透のイメージ。
※ 浸透のイメージを示す概念図です。
実際の浸透の深さは樹種・含水率・施工方法によって異なります。
ホウ酸の用途について

ホウ酸は防蟻防腐処理以外にも、米FDA・欧州EFSAにおいて 食品添加物用途に承認されている物質です。 急性毒性の指標(LD50)は食塩と同程度です。 詳細は「安全性について」のセクションをご参照ください。


処理対象部位

処理対象部位と処理範囲の考え方

ボロンdeガード工法の特徴のひとつは、 一般的な防蟻処理(揮発性の薬剤)とは異なる「処理範囲の考え方」にあります。 床下を中心とした処理ではなく、 構造材全体への処理を基本としています。

一般的な防蟻処理(揮発性の薬剤)の処理範囲
  • 新築時の処理範囲は、基礎天端より高さ1m以内の部材が一般的。既存住宅では床下処理が中心
  • 薬剤の効果は時間とともに低下するため、5年を目途とした再処理が前提。そのたびに費用と工事の調整が発生する
  • 再処理を行わないまま効果が切れると、シロアリの侵入を防げない期間が生じ、被害のリスクが高まる
  • 一方で、再処理できるのは床下など薬剤が届く範囲に限られ、壁内・階間など構造内部の部材は、完成後は再処理できない

※ 工法・製品によって異なります。再処理の周期は(公社)日本しろあり対策協会 防除施工基本大綱「5年を目途に再処理をする」による

ボロンdeガード工法の処理範囲の考え方
  • 基礎天端より高さ1m以内に加え、シロアリリスクが高い部位は天井まで処理することを標準化
  • 予算・仕様に応じて家全体への処理も可能
  • 新築時に適切に施工することで、壁内など再施工困難な部位も長期間効果を維持
  • 木材処理に加え、基礎や土台周辺などシロアリの侵入経路を遮断する処理も重視(1次防蟻思想)

※ 実際の処理範囲は施工マニュアルに準拠します

ボロンdeガード工法の選べる施工範囲
ボロンdeガード工法の選べる施工範囲。土台・柱・梁・筋交いなど構造材への処理範囲を示す図。
標準処理
基礎天端より1mまでの構造材に加え、玄関や水回りなどシロアリリスクが高い範囲は2階の床組まで施工
1階全部処理
1階の全構造材を施工
全構造材処理
小屋組みまで全構造材へ施工

※ 上図は木造軸組み工法の概念を示すものです。 小屋組み・野地板など上部構造材も処理対象に含まれます。 常時雨掛かりとなる仕上げ材は対象外です。 実際の処理部位・範囲はボロンdeガード工法施工マニュアルに準拠します。 建物の構造・工法によって異なる場合があります。

アメリカカンザイシロアリについて

アメリカカンザイシロアリは、床下を経由せず、屋根裏・小屋組み・外壁まわりなどの乾燥した木材にも直接侵入する外来種のシロアリです。 そのため、基礎天端から1mまでを中心とした標準処理だけでは、侵入リスクを十分にカバーできない場合があります。 被害リスクのある地域では、全構造材処理による対策をご検討ください。建物の構造や立地に応じて、最適な処理範囲をご提案します。


施工プロセス

施工から保証発行までの流れ

ボロンdeガード工法は、施工マニュアル(施工要領書)に基づき、 施工会員が責任施工します。 施工後は処理部位・施工日・薬剤の種類・濃度を記録し、 日本ホウ酸処理協会が保証書を発行します。 保証期間中は5年ごとの定期検査が保証継続の条件です。

保証発行の流れ・施工記録・定期検査の詳細を見る

安全性について

安全性について

科学的根拠に基づく情報を整理します。 過度な安全性の訴求は行わず、正確な情報の提供を目的としています。 特定の健康状態がある方は施工前に専門家にご相談ください。

ホウ酸(ホウ素)は特別な薬品ではなく、暮らしの中に自然に存在する身近な物質です。 私たちは普段からさまざまな形でホウ酸に触れています。

B Boron ― ホウ素 ホウ酸の主成分となる元素。
私たちの身の回りに広く存在します。
  • 野菜と肥料 野菜・肥料 植物に必要な栄養素として肥料に使われ、野菜や天然塩にも含まれています。
  • 目薬をさす様子 目薬 医薬品の材料として用いられています。
  • 温泉につかる女性 温泉 「メタホウ酸」を含む温泉があり、私たちは日常的にホウ酸に触れています。
ホウ素を含むホウ酸は、暮らしの中にある身近な物質でありながら、木材の腐朽菌やシロアリに対しては高い防腐・防蟻効果を発揮します。 揮発しないため、高気密住宅でも室内の空気を汚しません。

居住空間への影響について

ホウ酸は揮発しないため、施工後に空気中に広がりません。 木材中に留まる性質のため、居住空間に飛散しにくく、 施工後に有機溶剤のようなにおいや空気汚染の心配が少ない点が特長です。

また、米FDA・欧州EFSAにおいて食品添加物用途に承認されている物質です。


認定施工について

施工会員について

ボロンdeガード工法の効果は施工品質に依存します。 処理部位・施工濃度・木材の状態など施工条件が揃うことで効果が発揮されるため、 協会は施工会員制度を設けています。 施工会員は施工マニュアルへの準拠・施工記録の保管・ 定期検査依頼への対応が求められています。

約140
全国の施工会員数
最大35年
新築施工時のシロアリ保証期間(条件あり・詳細は施工会員へ)
施工会員を探す 保証制度の詳細を見る

よくある質問(工法について)

新築時は、壁や床をふさぐ前に構造材へ処理できるため、施工範囲を確保しやすく、ボロンdeガード工法の効果を最大限に発揮しやすいタイミングです。 一方、既存住宅でも、床下・小屋裏・点検口などから施工できる範囲に対してホウ酸処理を行うことができます。特に床下の土台・大引・根太・柱脚部など、シロアリ被害を受けやすい部分への処理が可能です。 ただし、既存住宅の場合は、建物の構造や点検口の有無、床下の高さ、劣化状況などによって施工できる範囲が変わります。まずは現地調査を行い、どこまで処理できるかを確認したうえで最適な施工方法をご提案します。
新築時が最も理想的ですが、既存住宅でもホウ酸処理は可能です。
ボロンdeガード工法の特徴は、材料(ホウ酸)だけでなく、 施工マニュアル(施工要領書)に基づく施工品質管理・ 施工会員制度・施工記録の保管・5年ごとの定期検査という 一連の仕組みにあります。 詳しくはよくある質問ページをご覧ください。

次のステップ

お近くの施工会員にご相談ください。 工務店・建設会社の方は提案ツールもご利用いただけます。

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